2024/06/26 22:31

アングルは色彩や光線よりも形態を重視し筆触を避けた。

「オダリスク」には卓越した色彩感覚がうかがわれる。

絵全体の豊かな色調、肌のきめ細やかさはまばゆいばかりだ。


 

 

オダリスクとはハーレムの女を意味するトルコ語。

この絵は豊かな色調、そして何より裸のきめこまやかな表現に専念している。

そして、全体としては憂いと優雅さのある、たぐいなき作品として多くの画家に影響を及ぼす事となる。

美的感覚に時代はないと心に深く刻まれた一作。

 

 

アングルという画家の名を聞いて、すぐいつの時代のどんな作家か言える人は古典名画に興味がある人といえるかも。

 まして代表作の「オダリスク」、「泉」は素敵だよなんて口にすればキザ、最悪変体と言われかねない。

 

 

それよりかなり後の作品「泉」は当時の反響はよく、多くの画家に影響を与えたと。

 

右腕を頭に回し、片足に重心をかけ、腰をわずかにひねった女性のポーズ、その女性の姿で泉を表現なんてにくいじゃないとかいいつつ、憂いと優雅さの混じった官能美に不思議な時が流れる。