2024/06/26 22:11
綿貫宏介は神戸の出身、灘校、関学の法学部、経済学部からリスボン大で外交史の研究、のち画家に転身した。
絵画、書などに堪能した才人で、自由闊達な生涯をまっとうされた貴人ともいうべきお人柄。
惜しくも本年(2022年)一月他界され、遺されたこの画集も数冊となっています。
墨一色で描かれた兜の背景に、個性的な古字での孫子の兵法がかかれており、節句に限ることなく人生の愛蔵品ともなるでしょう。
孫子についての解説書は多く出版されていて、海音寺潮五郎「孫子」からも参考させていただいた。
以下の版画六種のセット。画集のパッケージ、作品のレイアウトすべて綿貫宏介による。
画集の価額¥60,000(税別)
お客様のお好みの作品一種の個別販売もしています。額装もお見積もりにより制作します。
座星兜鉢 孫子第五 兵勢篇
雑賀鉢 孫子第八 九變篇
五鈷握拳冑鉢 孫子第十二 火攻篇
四方白冑鉢 孫子第四 軍形篇
星兜鉢 孫子第三 謀攻篇
三十番神号筋冑鉢 孫子第六 虚実篇
孫子はもともと兵法書としてあるから、戦術の書であることはいうまでもない。
だが処世術の書、政治の書、経営の書としても立派なものと古来考えられている。
応用面がまことに広いのだ。
太平記によって、楠木正成の赤坂城の籠城戦を見ても、敵の心理を次々に読んで、適当に虚をついて効果をあげている。現代では毛沢東の「遊撃戦論」もその類だろうか。
戦術には、元来読心術的面が非常に多いからである。