2024/06/26 17:22

マティスの代表作の一つ「ダンス」は歓喜とエネルギーの記念碑的イメージである。

また驚くほど大胆とも言える作品だ。

 

マティスのコレクター、モスクワのセルゲイ・シチューキンから自邸の装飾画の依頼を受けて、この絵をいくつも多数の習作として制作する。

この作品は最初に手がけたヴァージョンだ。

 

ここでは、左端の人物は目的をもって動いている。

彼女は後ろ足から胸まで一筆で描かれた輪郭により強調されている。

 

他のダンサーたちはとても軽やかに見え、ほとんど浮遊しているようだ。

ダンサーたちの速度のある動きはカンヴァスの枠ぎりぎりにかろうじておさまっている。

 

マティスは、ダンスとは、「生命であり、リズムである」と。その言葉どうりの作品だ。

 

かつて芸術新潮に、日本人にわからない絵のタイトルでその扉絵にこの作品が大きく載っていた。

マティスは存命中、日本でも人気があったが、死んでからは、分かりにくく言われるようになったのか。

しかし芦屋・ギャルリーシャルグランでは、「マティス作品展-(アートポスター)」は、これまでの企画展中、動員数、売り上げは最大級。

マティスの人気、さすが芦屋の美意識!と心の中で快哉を叫んだ記憶が今だに生々しい。

 

この作品はニューヨーク近代美術館(MOMA)の所蔵で、私が当館を訪ねた時、階段脇という、場所に飾ってあった。

ちょっと意外にも感じたが、この名作をこんなふうに見られるって、感動がじんわり胸にたかまるのを覚えた。

これぞMOMAスタッフの感性か、ニュ-ヨーク人や恐るべし!

 

参考文献 巨匠の世界マティス、 芸術新潮1966年9月、ニューヨーク近代美術館 作品ガイド。