2024/06/22 20:07

1961年の暮れ、ジングルベルが街中に聞こえている頃だった。

神戸三宮のセンター街をそぞろ歩きして、生田筋と交差した付近のレコード店を覗いた時だった。

ふと目に止まったレコードジャケットの女性のプロフィール、それが瞬時に体中にある種の衝撃がはしり、夢遊病のごとく、そのレコードをレジにさしだした。(現在、そのレコード店はなく紳士服店となっている)

 

 

それがどんな曲のレコードかも、その女性がどういう人なのかも知らずに購入したのだ。

それがオペラ歌手マリア・カラスとの出会いだった。

そんなことがあって、オペラの魅力にはまり、次々と彼女のレコードを聴くこととなった。

そんなことが、きっかけで今は大のオペラフアン。

 

「、マリア<回想のマリア・カラス>」 ナディア・スタンチョフ著

音楽之友社刊を読むと、ドラマチック・ソプラノでファンを虜にした彼女にも大変な苦労があったよう。加齢による声の衰え、そのうえギリシャの海運王アリストテレス・オナシスとの恋の破局など。

 

「神聖歌手とよばれるのは、好きじゃない。私はマリア・カラス、一個の女にすぎません。」の彼女の言葉がニューヨーク・タイムズ(1971.10.31)にあったそうだ。

彼女の物事に動じない毅然とした姿勢と同時に、深い悲しみを感じ胸が熱くなった。